NZ MoyaSystem

ニュージーランド在住のプログラマがあれこれ書くブログ

「足るを知る」海外生活のススメ

10月11日の「Mr.サンデー」で、ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカ氏のインタビューが放送され、反響を呼んでいるようです。


ムヒカ氏は世界一貧しい大統領として有名で、1987年製のフォルクスワーゲン・ビートルに乗り、ひと月わずか1000ドルで生活するというスタイルが話題になりました。*1経済発展ばかりを追求する危険性を指摘した国連でのスピーチもよく知られています。


オンエアの内容はこちらのブログに良くまとまっているので、ぜひ読んでみてください。

blogs.yahoo.co.jp

ムヒカ氏は、現在の日本が産業社会に振り回され、「足るを知る」という美徳を失ってしまったと指摘しています。

「幸せとは物を買うことと勘違いしているからだよ。幸せは人間のように命あるものからしかもらえないんだ。物は幸せにしてくれない。幸せにしてくれるのは生き物なんだ。


筆者は、ムヒカ氏のこの部分に心から共感します。


モノを際限なく蓄えたところで、幸せにはなれません。家族や友人との時間、そして自分自身の時間こそ、幸せになるために必要なのです。


「足るを知る」ことで、人生はもっと自由になると思います。


何でも買えても幸せにはなれない

筆者はサラリーマン時代、残業させられまくったおかげで、それなりに高い年収を得ていました。そのため、給料が入るたびに、高価な買い物を繰り返していました。

オーダーメイドのスーツにワイシャツ。ブランド物のネクタイ。高級な革靴にカバン。見た目を飾り立てるためにン十万円はつぎこみました。

短い睡眠時間の質を高めるために、10万円近い枕とマットレスを買ったり。

ほかにも、残業を200時間こなした翌月は、バレンタインフェアに出かけて自分用に高級チョコをン万円分買ってみたり。



しかし残念ながら、そのとき買ったものの多くは、自分の人生に必要なものではなかったのです。


高いスーツやワイシャツを買ったのは、単に、スーツ着用必須の職場での士気を高めるためにすぎません。仕事をやめてしまった今、スーツを身につける機会は、年に3回もあれば多い方です。NZのIT業界は私服OKのところが多いですから、今後も着る機会は少ないでしょう。


「短い睡眠時間の質を高めるために高い枕を買う」のもおかしな話です。毎日8時間寝られれば買う必要が無かったのに、睡眠時間を削られるほど働くから、そんな道具が必要になったのです。ということは、枕を買うために働いたぶんの時間は、本来働かなくてもよかった時間なのです。


バレンタインのチョコにしたって、その直前に異常な量の残業をしてストレスを受けていなければ、そんなアホなお金の使い方はしなかったはずです。これもまた、チョコの代金分の仕事はする必要がなかったということです。


なんでも買うことができたのに、全然幸せにはなれませんでした。幸せだったら会社辞めたりしませんからね。


不必要な物に費やした金額は、100万円どころではないでしょう。そして、そのお金を稼ぐために費やした時間は、もう二度と戻ってこないのです。



「足るを知る」きっかけになった海外生活

筆者の場合、海外生活を始めたことが、はからずも「自分にとって本当に必要なものはなにか?」= 「足るを知る」を考えるよい機会になりました。


当然ながら、海外に引っ越す場合、今ある荷物をすべて持っていくことはできません。せいぜいスーツケース1つか2つに収まる量しか持っていけないのです。必然的に、何が必要で何を残すか、考えなければならなくなります。


結局、衣服や勉強用具、パソコンといった必需品を詰めただけで荷物がほぼいっぱいになってしまい、あとはお気に入りのIT技術書数冊を入れただけでNZにやってきました。大量に買い込んだ愛着のある本やCDなどを実家に置いていかなければいけなかったのは、最初は寂しく感じましたが、いざ海外生活が始まってしまうとなんとも思わなくなりました。


また、実際に暮らし始めてから、「あれがほしいなぁ」と思い、買い物に出かけることもありましたが、大抵のものが結構高いんです。日本ほど安価に品質の良いものが揃う国はそうそうないんですよね。ですから、「こんなに高いのか……じゃあ買うのやめよう」となって、買わずに帰ってくることがほとんどでした。


買わなくても済むものは、無くても生きていけるものなんです。自分が日本にいたとき、「ちょっとほしいし、安いから」という理由だけで、いかに安易にモノを買っていたかがよくわかりました。


人間が人間らしく生きるのに、モノはそんなに必要ない。ということは、お金もそんなに必要ないのです。


もちろんお金が多くあるのに越したことはないでしょう。しかし、なにも必要以上のお金を稼ぐために、必死になる必要はありません。筆者は今、ひと月約7万円8万円で生活していますが、十分幸せです。*2


家賃や食費、遊興費をすべて含んでこの値段です。食べるものには困らないし、時々外食してお酒を飲むことだってできます。もしひと月10万円使えるなら、相当な贅沢ができるなと思うほどです。


あ、ニュージーランドの物価は日本と同じか、ちょっと高いくらいですからね。念のため。


本来、人間はその程度のお金で生きていけるんです。満員電車や残業に耐えて、ひと月20万も30万も稼ぐ必要は、実は無いのかもしれません。


可能であるならば、20代か30代のうちに、数ヶ月以上、スーツケース1つの荷物だけで海外で暮らしてみると、人生観がだいぶ変わるのではないでしょうか。


f:id:imo_jo_chu:20150217115028j:plain

まとめ

仕事のストレスを、Amazonのワンクリック注文で紛らわしていませんか?
給料日が来るたびに物が増え、家がどんどん狭くなってはいませんか?


そんな方は、ぜひ一度、日本から出て暮らしてみてください。東南アジアでもヨーロッパでも、どこでもいいと思います。


持ち物の少ない暮らしをすると、「足るを知る」が見えてきます。


もしかしたら、今のあなたは、必要以上に働き過ぎているのかもしれません。そして、家族や友人と過ごす時間、ひいては自分の人生そのものを、無駄にしているのかもしれません。


過ぎ去った時間は、二度と取り返せません。たった一度の人生です。モノに囲まれる暮らしもいいかもしれませんが、足るを知って、モノにとらわれない人生を過ごすのも、素敵だと思いますよ。


関連エントリ

日本では、良くも悪くも、買い物そのものがエンタメとして成立していますね。nzmoyasystem.hatenablog.com


働き過ぎ、ダメゼッタイ。nzmoyasystem.hatenablog.com

*1:ホセ・ムヒカ - Wikipedia

*2:2015/10/19 訂正 ニュージーランドドルのレートを勘違いしていました。すみません