NZ MoyaSystem

ニュージーランド在住のプログラマがあれこれ書くブログ

プレミアムフライデー、どうせやるなら徹底的にやってくれ!

イチオシ記事▼

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いよいよ来週、2月24日からプレミアムフライデーが始まりますね。

「プレミアムフライデーとは何ぞや?」ということで、今一度その中身をおさらいしておくと、毎月の最終金曜日は午後3時で仕事を切り上げて帰ろうぜ! というキャンペーンです。博報堂作成の、なかなかカッコイイ公式サイトも立ち上がっちゃったりして、音頭を取る経済産業省の本気度が伺えます。

https://premium-friday.go.jp/

さて、一見すると働き方改革の一部に思えるこのキャンペーンですが、その実態は、世の労働者の皆さんに街に繰り出して、いっぱいお金を使ってもらおうという経済活性化施策なのです。早く帰れとは言われても、仕事を減らすための具体策になんかひとつも触れられてません。

その証拠に、公式サイトの中にある「取り組み紹介」を見てみましょう。取り組みと言うからには、「うちの会社は、最終金曜日は必ず3時で全員帰宅させます!」みたいな宣言かと思いきや、ホテルやレストラン、旅行業界の「プレミアムフライデープラン」がずらずら……。

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https://premium-friday.go.jp/activity.html

「最近働き方改革とかで残業削減が流行ってるから、便乗してひと儲けしてやるか」ってな狙いがミエミエですね。

残業規制や有給休暇取得促進、労働基準法の厳守、通常業務の効率化といった、もっとやるべきことがあるだろうに、経済効果を求めて月に1日たった2時間の早退日を導入する、しかも具体策は現場に丸投げという、小手先の考えがあまりにあんまりなので、僕はプレミアムフライデーに反対です。その意見はプレミアムフライデーは労働者を馬鹿にした愚策というエントリにもしたためました。

nzmoyasystem.hatenablog.com

とはいえ、もう始まっちゃうものは仕方がない。

プレミアムフライデー、やるなら徹底的にやってくださいよ。日本の新習慣になるまで。

万にひとつ、もしかすると、プレミアムフライデーが、日本が世界一働きやすい国になるための鍵になるかもしれないからね。

世界最多の祝日数 + プレミアムフライデーの最強タッグを目指せ

あまり知られていない事実ですが、日本は世界にもまれに見る、祝日の多い国です。2017年現在、日本には年間16日もの祝日が存在します。これは、インドとコロンビアの年間18日に続いて、堂々世界第2位の祝日数の多さなのです。

しかも、祝日に挟まれた平日が休みになる「国民の休日」制度や、慣習的にお盆や年末年始の休業日があることも考えると、有給を使わずとも、実質年間20日程度は仕事が休みになると言って良いでしょう。働いてばっかりと思われがちな日本ですが、実は結構休みが多いんです。ちなみに僕のいるニュージーランドでは、国民の祝日は年間たったの10日しかないんですよ。その多くが短い夏に集中しているので、休みのない冬はただ耐え忍ぶしか無い、マジで。

さて、これだけ休みが多いにも関わらず、日本が働きにくい国として認知されているのは、有給休暇の取得が難しい、長時間労働が慢性化しているなどの問題があるからにほかなりません。

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……では、いま政府が推し進めている「働き方改革」が実現したあかつきには、何が起きるのか?

  • 毎日定時で帰れるのが当たり前
  • 年次有給休暇は全部消化するのが当たり前
  • 世界トップクラスに祝日が多く
  • "しかも"毎月最終金曜日は3時で帰れる

こんな社会が実現するかもしれません。労働者のユートピアみたいな環境ですね。

毎日定時帰宅 + プレミアムフライデーが実現すれば、間違いなく、日本は世界でトップクラスに働きやすい国になれます。これはさすがに帰国を真剣に検討するレベル。

定時帰りが当たり前になったらプレミアムフライデーも無くなっちゃうのでは? との懸念があるかもしれませんが、働かない習慣が根付いてしまうと、そう簡単にはなくなりません。国民の祝日の数が増えることはあっても減ることがないように、プレミアムフライデーも、一度定着してしまえば無くなることはないでしょう。

「1年やってみたから終わりにしまーす」ではなく、一度始めたんなら、日本全国に行き渡るまでしつこくやり続けるべき。そう考えます。

「プレミアムフライデーだけ定着する」のが最悪のシナリオ

僕がもっとも心配しているのが、長時間労働や有給休暇取得の改善がなされないまま、プレミアムフライデーだけが定着してしまうこと。これは最悪のシナリオです。絶対に避けなければいけない。

プレミアムフライデーは労働者を馬鹿にした愚策」でも書きましたが、小手先の時短勤務導入は、長時間労働に対する"ガス抜き"としての意味合いが強いと考えています。

低い年休消化率、残業当たり前の中でも、日本の労働者が不満も言わずにそこそこ頑張ってこれたのは、定期的にやってくる連休のおかげではないでしょうか。年末年始、ゴールデンウィーク、お盆と、日本では4ヶ月おきに一週間程度の休みがあります。さらに、ハッピーマンデー制度により、年に4回は3連休がありますよね。

何もせずともそこそこの休みが与えられるので、有休を使う必要性も感じない。日頃早く帰宅できなくても、まぁいいかという気分になってしまう。これは否定できないと思います。

同様に、プレミアムフライデーが、労働環境改善のブレーキになってしまうのを危惧しているのです。

労働者の意識が、毎月最終金曜日はけっこう早く帰れるから、残業多くても有給取れなくてもまぁいいか……となっては、本来解決すべき問題への対処が遅くなってしまいます。

「プレミアムフライデーもいいかもしれないが、本当に必要なのは長時間労働の改善、年休全消化の徹底だ!」ってことを忘れずにいないと、生かさず殺さずで働かされ続ける社畜の状況がいつまでも続くことになりかねません。ここは日本の労働者の気骨の見せ所だと思いますよ。

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残業ゼロが実現してこその「プレミアムフライデー」だ

そもそもこの施策は、長時間労働の問題が解決されていないのに、たかだか2時間早く帰れるだけで「プレミアム」と称しているところが理解に苦しみます。その日だけプレミアムでも、ほかの日で残業してたら結局マイナスでしょ、意味ないじゃないかと。

「プレミアムうまい棒」だって、「うまい棒」がおいしいからこそ価値があるんですよ。素のうまい棒でも十分いけるのに、さらに旨いから、プレミアムなんです。

プレミアムフライデーでも同じこと。いつも定時で帰れる、月末の金曜日はもっと早く帰れる! となってこそ、プレミアムフライデーですよ。どうせやるなら、そんな時代が来るまでしつこく続けていただきたい。

日本の労働環境に嫌気が差し地球の反対側まで逃亡した人間として、関係者各位の皆様に心よりお願い申し上げる次第です。