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ニュージーランド在住のプログラマがあれこれ書くブログ

「今の会社以外に働く場所がない」なんてありえない

このブログを通じて発信し続けているメッセージのひとつに、「嫌な会社なら今すぐ辞めよう」がある。

毎日残業続き、休日出勤が多い、それどころか残業代も出ない、有休だってまともに取れない。そんな会社で毎日の生活を送るのは残念すぎる。クソゲーみたいな仕事は辞めて、自分の人生を取り戻すべきだ。そんなことを、いくつかのエントリで書いてきた。

寄せられたコメントの多くはその考えに賛同してくれるものだが、それでも中には「そう簡単には辞められない、今の会社以外に仕事が無い」という内容のものもある。今日はそんな意見に真っ向から反論したい。

「今の会社以外に働く場所がない」なんてありえない。

10年サラリーマンをやれば相当なスキルが身につくはず

会社で何年も働いている人が、「いまさら仕事を辞めても次のアテなど無い」とこぼす。少し考えると、とても不思議なことではないだろうか。サラリーマンとして5年や10年働いているなら、それなりの技術は身についているはずだ。それなのになぜ、今の会社を辞めたら仕事が無いと考えてしまうのだろう。どこか別の企業が能力を買ってくれるのが普通ではないだろうか。

マルコム・グラッドウェルは著書『Outliers』で「いくら練習をしてもまったく上達しない人などいない」と述べた。これは個人の才能のあるなしとは関係がない。それなりの長い時間練習を積めば、どんな仕事であっても上達するのだ。

彼は同時に「10000時間の法則」を提唱し、どんな分野であっても成功する人は10000時間の練習をこなしているとも記している。1日8時間、年間240日働くと仮定すると、1年で1920時間、6年で10000時間に到達する。8時間ずっと集中しているわけでないことを差し引いても、この法則に基づけば、10年も働けば相当なスキルが身についているはずなのだ。あなたが気がついていないだけで、実は労働市場で評価されるだけの技術をすでに持っている可能性は高い。10年に満たなくとも、5年程度働くだけでもそれなりのレベルに達しているだろう。

もちろん今の会社と同じだけの給与が保証されるとは限らない。特に大企業に勤めている場合、個人の成績に関係なく会社の業績が高額な給料に反映されることはままある。しかし、嫌な職場から解放され、新しい環境でいきいきと働けるようになれば、パフォーマンスが上がりいずれ昇給することも望めるし、残業がなくなれば、プライベートの時間を使って副業をすることだってできる。日々のストレスは、思っている以上に行動力に影響するものだ。

はてなブログにも、「会社辞めて一旦ニートになります」のあきお(id:akio130)さん、「Coyapuyo Re:Works 」のこやぷよ(id:koyapuyo)さんのように、ストレスフルな仕事を辞めて、以前よりもしあわせな生活を手に入れた人のブログがたくさんある。転職に悩んでいる人は、一度そういった方たちの記事も参考にしてほしい。

スキルの無い人でもチャンスはある

多くのサラリーマンは転職に必要なスキルを備えていると思うが、中には本当にスキルが無くて転職できないという人もいる。それは、仕事内容そのものにスキルの向上が見込めない場合だ。あまりに単純作業の繰り返しだったり、ひとつの会社でしか通用しない技術に特化ししすぎてしまったりするケースである。

実はわたし自身がその例に当てはまる。新卒で入社したIT企業で、わたしが任されていた仕事は「リリース準備、および検品」だった。開発チームから申請書を受け取り、それにしたがってソフトウェアの新しいバージョンを作る。そして更新されたファイルと、申請書に記載されたファイルが同じかどうか確かめる。そしてファイル一式をCDに焼き、顧客のオフィスに持っていくという仕事である。

これを読んだ多くの方が「はぁ?」と呆れかえったことだろう。今思い返してみても寒気がするほど得るものがない仕事だが、なんとわたしはこれを2年間もやっていた。最終的には嫌気が差して「こんな仕事続けてても先が無いので会社辞めます」と上司に通告、それは困ると慰留され、もっとまともなシステム設計業務に配置換えしてもらった。

転職に必要なスキルが無い人は、配置換えを訴えたり、独学で勉強したりしてチャンスをつかめばいい。最悪なのは、何年やってもスキルの育たない仕事に従事して人生を浪費することだ。

低待遇で改善の望めない境遇に死ぬまで浸り続けるか、状況を好転させるための行動を起こすか。わたしは明らかに後者のほうが楽しい人生になると思うがいかがだろうか。たとえ収入が減ったとしても、自分でコントロールできる人生は、他人に支配される人生よりもずっと楽しい。

ニュージーランド人が転職できて日本人ができないわけがない

わたしの住んでいるニュージーランドでは、みな当たり前のように、数年おきに転職を繰り返す。転職は年収アップのための重要な戦略なのだ。同じ会社に一生勤め続けるなんて、だれも考えていない。

はっきり言って、ほとんどの日本人サラリーマンはニュージーランド人より優秀だ。顧客と上司からの厳しい要求に応え、休みも取らずに長時間労働をこなす日本人の、どこが無能なのか。ニュージーランド人が転職できて、日本人はできないなんて、そんな馬鹿な話はない。

「自分なんて、今の会社を辞めたら働けない。ひどい待遇にも文句を言わず働き続けるしかない」と感じている人は、どうかもっと自信をもってほしい。人間に生まれた以上、誰にでも幸せに働く権利がある。奴隷のような状況に甘んじることなく、前を向いて一歩踏み出してほしいと、切に願う。