「縁」というマジックワード
僕が以前いた会社を辞めようとしたとき、「この会社に入ったのも何かの縁なのだから簡単に辞めるのはもったいない」と言われて慰留されました。引き止めてくれたのは直属ではない上司の方で、面談をしたときに僕の考えていることにきちんと耳を傾けてくれました。「何かの縁」という言葉には「確かにそうかもしれない」と思ったし、ゆくゆくはその上司のもとに転属になるという話がまとまったので一時は退職を撤回したのですが、最終的に様々な事情により転属することはなく、2年経って結局退職してしまいました。個人的には最初に退職を決意した時点で会社への絶望がピークに達していたので、「縁」という言葉に引っ張られて退職しなかった当時の決断を非常に公開しています。
「縁」にポジティブな意味は無い
たとえ今の環境が自分にとって不本意なものであったとしても、「縁」という言葉を聞くとそれは一時的な苦しみであって、実は深い意味のあることかもしれないと感じてしまう方もいるのではないでしょうか。確かに日本には「袖振り合うも他生の縁」というようなことわざがありますが、それの本来の意味は「すれ違いざまに着物の袖が擦れ合う程度の人とでも、前世で関わりがあったのだ」という程度のことで、なにもポジティブな意味が含まれているわけではないのです。
「縁」は切ることができる
もし今の不本意な状況を「これも何かの縁だろうから」と我慢しているなら、その考えはすぐに辞めたほうが良いでしょう。大切なのは今の環境に自分が満足しているかどうかだと思います。百歩譲って縁だったとしても縁は切ることができるのです。辛い我慢をしてまで自分の人生を諦める必要などどこにもないのです。そんな縁などすぐに切ってしまいましょう。