7月1日から国家公務員を対象に「ゆう活」なるものが始まりました。
仕事を早めにはじめて、早めに終える。そして、夕方からはオフを楽しむ。それが“ゆう活”という新しい働き方。「平日は無理・・・」と諦めていたことが、働き方次第でできるようになるかもしれません。日が長くなるこの夏、あなたの職場でも“ゆう活”してみませんか?
それ、要するにサマータイムじゃないの?と思いますが、サマータイムと言わずに「ゆう活」なんて新しい言葉をわざわざ作るあたりが日本的ですね。
しかし、このニュースの報道や各所の反応を見る限り、これはどうにも失敗する雰囲気しかありません。
始業時間を早めるだけで業務が効率化するわけがない
ちょっと考えればわかりますが、早めにオフィスにくるだけで業務が効率化するなら苦労しません。
元々の業務の改善を実施しなければ勤務時間は変わらないので、結局いつもの長時間労働のままでしょう。ただでさえ、国家公務員は長時間労働の激務として知られている仕事です。筆者の知り合いにも国家公務員が数人いますが、全員毎日終電逃してタクシーで帰っています……。
ヘタすると、始発で出社して終電逃してタクシーで帰る職員が現れかねません。このあたり、役所はきちんとコントロールですかね?
他社の理解が伴っていない
前述の記事では、「退庁時間を過ぎても電話はかかってくるので実質的には難しい」という声も上がっています。だいたいの仕事はオフィスの外、民間企業とつながっていますから、そちらの理解が進まなければ、うちだけ早めに終業しますからとはなかなかやりづらいです。
もちろん理想は民間企業も足並みそろえて定時退社を推進してくれることですが、いまの日本社会を考えるとそう簡単にはいかないように思えます。周りの声に押されて結局残業せざるを得ない人が増えてくるでしょう。
海外では仕事が終わってなくても定時退社が当たり前というところも多いですが、それは許されるのはその国の価値観が大きく影響しています。仕事が途中でも残業はしない、ヘタするとバカンスにいってしまう。そんなことがあっても笑って「しかたないよねー」で済ませることのできる文化だからこそなのです。日本のように、納期厳守が鉄則、プライベートより仕事が優先という考え方が根強い国では、何があっても定時退社というのは難しいと思います。
まとめ
この「ゆう活」、今年は99%失敗します。今月末頃には、夕方5時にオフィスを追い出され、仕方なく始発でオフィスに来て長時間労働をこなす職員が急増するんじゃないでしょうか。
とはいえ、同じ残業するのでも、どこの店も開いてない真っ暗な時間に終電で帰るのと、夕方あがってデパ地下に寄り道してから帰るのとでは気分も違うはずです。朝早めに出社すればいつもの満員電車よりはいくらか空いている電車に乗れるかもしれません。こういった取り組みが、時差出勤やフレックスタイム制の促進など、少しずつでも日本の労働環境を良くする方向に動いていってくれれば良いと思います。
まぁ筆者はそんなの待ちきれないんで、二度と日本では働きませんけどね……。

- 作者: 佐藤多佳子
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(だからサマータイムだろって。)