筆者は2014年7月から、ニュージーランド・クライストチャーチの Lincoln University にて Graduate Diploma of Software & Information Technology というコースを受講していました。先日最終試験の結果が発表され、無事卒業単位をとり終えることができました!
筆者はほんの1年半前まで国内のIT企業で社畜として疲弊する日々を送っていたのですが、笑 それから考えるとよくここまでこれたよなーと、まずはホッとしております。
これを機会に、自分が就職してから現在に至るまでの過程を振り返ってみたいと思います。
ちょっと長い自分語りになりますが、いま日本で同じように社畜として苦しんでいる誰かに届けばいいなと願いながら書いてみます。
Contents
2008年
4月: 某国立大学の文系学部を卒業し、某システムインテグレータにシステムエンジニアとして就職。プログラム経験はおろか、Excelのフィルタや要素カウントの方法も知りませんでした。今考えるとよくIT業界に入ったもんだと思います。若さって怖い!
10月: 配属された職場で見事デスマーチが勃発。 月の残業時間は60時間、70時間、80時間と増えていき、満員電車で”痛勤”し終電で帰る日々が続きます……。東京でも屈指の混雑路線である東京メトロ東西線で通っていたので、まーつらかった。
仕事自体はキツかったものの、メンターの方が熱心に指導してくださったり、残業代は満額支給されたり、なによりプログラミングそのものがおもしろかったので、それなりにがんばってました。
2009年
4月: Googleニュース英字版が理解できない自分にカッとなり、勢いでニンテンドーDSのTOEIC対策ソフトを購入。
10月: TOEICを初めて受験。半年間の対策がきいてか、780点をマーク。
いま思えば、この年から「会社を辞めて留学」という選択肢を考え始めてはいました。ただそれを実行に移そうとまでは考えてませんでしたね。
ちなみにこの期間も順調にデスマーチは進行しており、
- 狭い会議室が開発場所となりぎゅうぎゅう詰めの中開発を行う
- ゴールデンウィークと盆休みがふっとぶ
- 定時が20時になる(そして誰も定時に帰らない)
- 他部署の人が次々とテスターに駆り出される
など、絵に描いたようなデスマーチであり、筆者の退職意欲を掻き立てるのでありました。
2010年
この頃は「会社なんか辞めて起業してやるわ!」とギラギラしてました、笑
異業種交流会に行ってみたり、
起業家コミュニティの朝会に顔を出したり、
10万円くらいする怪しい情報商材に引っかかったり、、
着々と退職の準備をしていました。
が、相変わらず残業は月に60時間程度続いており、月100時間超えの残業も経験しました。
まぁ正直この辺りは壮絶に激務過ぎてよく覚えておりません……。
とにかく、このまま仕事を続けていては起業準備も何もできない!と、上司に退職したい旨を告げました。
ですがこのときは「一旦保留しておくねー また相談しようねー ^^」ということに……。
2011年
1月: 年始からわずか2週間で残業時間が70時間を超えるという事態にブチ切れ、職場から逃亡。
この時期は数日間自宅にも帰れず、職場でパソコンに向かっている最中リアルに
「だめだ……このままでは死ぬ……」
と感じ、気づいたときには財布以外のすべての荷物を置いて職場から立ち去っていました。
一時はもう知るかこんな会社!潰れちまえ!!というマインドでしたが、色々あって慰留され退職を思いとどまることに。
ですが、どうせならここで辞めておくべきでしたねー。この年に留学しておけば円高の恩恵を受けられたんですがねー。
「せっかく入った会社だから、これも何かの縁」なんて言葉に騙されちゃいけないんですよ。
2012年
7月: 職場逃亡から1年半経った結果、あらためて会社を退職して留学することを決意。 ここから留学の実現まではあっという間でした。
英語力をつけるために、さっそくSkype英会話を開始し、毎朝出勤前の15分をレッスンにあてました。それまで英語のアウトプットの練習をしたことがなかったので、最初はほんとボロボロのできからスタートでしたが、継続する中でなんとか形になる英会話ができるようになってましたね。
そして留学に関する情報収集を始めたところ、どうやらIELTSという試験を受ける必要があるということを知り、過去問を解くなどの対策をスタートしました。
9月: 2回目のTOEICを受験。880点をマークするも、自分の実力を考えるとまったく合点がいかず、TOEICへの不信感が芽生えました。
またこの月に初めてIELTSを受験しました。
大学の入学基準は、すべてのパートで6.0以上、Overallで6.5以上なのですが、
結果は Listening 5.5, Reading 8.5, Writing 5.5, Speaking 6.0, Overall 6.5。
ライティングの対策の重要性を痛感しました。
11月〜12月: 会社の海外研修プログラムで、シンガポールに3週間滞在。これが初の海外経験でした。
平日は毎日語学学校で英語を叩きこまれ、夜は現地の市場調査(もちろん英語で)、最終週は英語のプレゼンテーションと盛りだくさん、朝から晩まで英語漬けで変な頭痛に悩まされたりしてました、笑
しかしながら、ホストマザーや現地の人々との会話をそれなりにソツなくこなせたことで、だいぶ自分の英語力に自信がつきました。
シンガポールは食べ物はおいしいし、街も清潔で便利、一発で大好きな国になりました。また行きたいですね。
2013年
3月: ライティング力を鍛えるため、IELTS専門の塾に通い始めました。週一で課題が出て、毎週ネイティブの先生が添削してくれるので、かなりわかりやすかったです。IELTSのライティングは 250 words とボリュームもあるし、自分ひとりではなかなか評価できないので、ちゃんとした先生に指導してもらうのが上達の近道ですね。
4月: 様々な条件を考え、留学先をニュージーランドに決定。
なおニュージーランドには一度も行ったことない状態で決めました。勢いが大事ですよ、勢い。
6月: 2週連続でIELTSを受験。
1回目 Listening 7.0, Reading 7.5, Writing 5.5, Speaking 6.0, Overall 6.5。ライティングだけ基準未達 orz
2回目 Listening 7.5, Reading 7.5, Writing 5.5, Speaking 6.0, Overall 6.5。またもライティングだけ基準未達!!!
IELTSの受験料って1回2万円以上するんですよ。
ですから1回失敗すると結構ダメージでかいんです。なんで受からんのじゃー!と、ずいぶんヘコみましたねぇ。
7月: 再度IELTSを受験し、
Listening 6.0, Reading 9.0, Writing 6.0, Speaking 7.0, Overall 7.0!
ようやく大学の入学基準を達成!!!!
リスニングが不調だったものの、リーディングとスピーキングが伸びたおかげで過去最高点をマークできました。
そしてLincoln Universityに入学を出願、無事Acceptされました。
10月: 就職5年半にしてついに退職。上司ともめにもめた末、ボーナス満額と有給休暇完全消化を勝ち取ることに成功する。みんなも困ったら労働基準監督署に相談しよう!お兄さんと約束だ!
11月: 退職直後、2010年頃の起業家コミュニティで知り合った方を経由して、Webサービス立ち上げのプロジェクトに開発担当として参加させていただきました。非プログラマのエンジニアが、未経験のPHPを勉強しながら、フロントエンドからバックエンドまでひとりで開発するという貴重な経験を積めたと思います。
開発したサービスは2014年1月にローンチ。現在も開発に携わらせていただいてます。コチラ → テクスチェンジ ~使わなくなった「教科書」を誰かの「ありがとう」に~
2014年
5月: ニュージーランドに渡航!
本課程の開始は7月だったんですけど、その前に1ヶ月だけ英語の予備コースをとっておこうと早めに渡航しました。
2015年
6月: 単位を取り終え、ついに卒業。
独特なニュージーランド英語のアクセント、
脱線ばかりする上に早口な教授、
殺意を覚えるほどのボリュームのレポートなど、
苦労したことは数えきれませんが、なんとか乗り切ることができて今はホッとしています。
留学してからはたったの1年間ですが、
留学の本格的準備を始めたのはそのさらに1年前、
「会社を辞めたほうがいいのでは」と思い始めたのはもっと前です。
お笑い芸人の厚切りジェイソンさんがこんなツイートをしています。
「成功者しか言えない」のはただの言い訳に過ぎないよ。 結果が出るのは時間かかっても、実際に変わったのは変わろうとした瞬間だろう。 内側が変わる→動く→結果が見えてくる。 RT @2989671: 一瞬?それは成功者しか言えない。運が良かったとしか言えない。
— 厚切りジェイソン (@atsugirijason) June 26, 2015
筆者の場合、このままではいけないと数年前に蒔いた小さな種が、紆余曲折の末に、ようやく小さな芽を出したといったところでしょうか。
今後同じように社会人から留学を目指す方にアドバイスするとすれば、
「今すぐ会社辞めなされ」 ですかね、笑
会社に勤めながらだと準備もなかなか進みませんし、ずるずると慰留されることも考えられます。明確に目標があるならスパッと辞めてしまったほうがよろしいかと思います!
……あ、もちろん必要な資金はしっかり確保してからにしましょうね ^^;
さて、これからは、次の目標であるニュージーランド国内での就職に向けて頑張ります!
それが達成できたあかつきには、またその過程を共有できればと思います。
(2016年4月6日追記)
地元企業にプログラマとして採用されました!

私も以前ニュージランドでIT学校卒業後、就活しました。今は一番大変だと思いますが、頑張ってください。
コメントありがとうございます。確かに大変ですが、周りの日本人の方は皆さん最終的に就活成功させているので、態度を楽観的に持つようにしてます。がんばります!
こんにちは! この記事を参考に、いま僕も院留学について色々調べています。
僕もGraduated Diplomaで各大学を検討中です。
出来る限り早くNZに一度訪れて、現地で情報を集めようと思います。
すごく参考になります!
>健太さん (id:saxyragazzo)
Graduate Diploma は大卒資格を得るのに最短最安の方法なのでオススメです。クライストチャーチであれば CPIT という専門学校が人気があります。大学以外にそちらも検討してみてくださいね!