こんにちは。
ここ数日はビザ手配に追われて相当にバタバタしている筆者です。
筆者のまわりにも書類の手配が間に合わず学生ビザ更新にトラブっている留学生がいて、この時期の風物詩なんかなぁと眺めている次第です。
ビザ申請に限らず、旅先や留学先でトラブルに遭遇することはよくあります。
トラブルに遭わないのがベストですが、そんな切羽詰まった状況でこそ、英会話力が高まるのも真だと思います。
ひとつ例を挙げてみましょう。
筆者がシンガポールに滞在していたときのことです。
その夜は同僚たちと宴会で盛り上がり、
気持よく酔っ払ったところで、ひとりがこう言い出しました。
「ゲイラン行こうぜ!」
ゲイランとは、シンガポールの中でも一番のナイトスポット。
そこにはネオン煌くオトナのお店が立ち並び、
街角にはキレイなおねーさんたちが遊んでくれる人を待ってるのだとか。
我々は集合場所を打ち合わせ、それぞれタクシーに分乗して向かうことに。
筆者はあまり英語のできない同僚ひとりとともにタクシーに乗り込みました。
筆者「ゲイランまで行ってくれ!」
運転手「あぁ、ゲイランねw お兄さんたちこれから遊ぶのかい?」
筆者「まぁ、そんなところっすw」
運転手「よしわかった!おれがオススメのお店を予約しといてやろう!」
筆者「!?」
この瞬間、筆者の脳内にアラームがけたたましく鳴り響きました。
いきなり電話をかけ出す運転手。
馴れない異国の地でこれはやばい。へたするとぼったくられる!
筆者「いやいやいや電話しなくていい予約もしなくていいから!」
運転手「大丈夫大丈夫、いい店だから」
筆者「いやいやいやいや勝手に予約されても困るんだって!」
運転手「大丈夫大丈夫、とりあえず行って、気に入らなきゃ出てくればいいから」
筆者「そういう問題じゃなーい!」
こちらが予約しなくていいと言っているのに、執拗に店を押さえようとする運転手。
筆者がこれだけ拒否したにもかかわらず、結局運転手は店に電話してなにごとか段取り立てしてしまいます。
タクシーは一路ゲイラン、運転手オススメのお店へ。
その途中も筆者は必死で状況を伝え続けます。
ほかのタクシーにも友だちがいるんだ、自分だけほかの店に行くわけにはいかない、待ち合わせ場所に行けなくなるから勘弁してくれ、などなど。
そのやりとりをみてただ困惑する同僚。
このやりとりが5分ほど続いたでしょうか。
そんな状況にさらに追い打ちがかかります。
尿意。
突然の、強烈な尿意。
思えば、飲んでいた店を出るときにちょっと催していたのを我慢したのが悪手でした。
しこたま飲んだビールが筆者の膀胱を締め上げます。
筆者「やばい……トイレに行きたい……急いでくれ……」
緊急事態を絞りだすような声で伝える筆者。
状況を察したのか、
運転手「おお、わかった、あと5分で着くからな!あと少しだぞ!」
と励ましてくれました。
そして運転手さんオススメのお店に到着。
とりあえず同僚に支払いを頼み、お店に駆け込む筆者。
筆者「トイレどこですか!!!!」
紫色のライトの下にずらりと並ぶおねーちゃんたちが、怪訝そうな顔で一斉にトイレを指さしたあの光景は一生忘れません。
結局ぼったくりでもなんでもなく、すでにおねーちゃんと遊ぶどころのテンションじゃなくなってた筆者は普通に店から出てこれました。
しかしオトナのお店に入ってトイレだけ借りて出てくるとかひどい客ですね……。
えーっと、筆者が言いたいのはですね。
シンガポール滞在中、もっとも流暢に英語をしゃべったのがこのシチュエーションだったのですよ。
とにかく自分の言いたいことを、確実に相手に理解させる。
それが緊急事態には求められます。
でもこれって、日常会話でも同じじゃないですか。
言いたいことを、理解してもらえるように話さなければ、意味が無い。
それまでは頭のなかで文を組み立てながら話していた、筆者のリミッターがひとつ外れたような経験でした。
世の中の英会話レッスンでも、
「突然緊急事態が発生して、なんとかそれを切り抜けるために英語を話す」
なんてシミュレーションを取り入れてみるといいのかも?なんて思います。
こういう状況で、頭のなかでいちいち翻訳して話していちゃ間に合いませんからね。
様々なトラブルも、自分のレベルを上げるための貴重な経験と前向きに捉えましょう。無事乗り切ったあなたは確実に強くなっています!