どうも、海外就活生のはっしーです。
今回は、筆者が日本でSEやっていた時からどうしても納得できなかった言説についてです。
IT業界に勤めている人はよく、「うちの業界は忙しさに波があるからね〜」と言います。
たしかに筆者の場合も、残業時間が100時間超えるような月もあれば、比較的穏やかな月もあったので、波があると言える、のかもしれません。
でもよくよく考えると、この表現、現実に即していないんじゃないでしょうか?
忙しさの「波」とは?
「忙しさに波がある」と聞いたとき、どんな状況をイメージされますか?
普通に考えれば、ある月は忙しいけど、ある月はヒマ、ということになるでしょう。グラフで表すとこんな感じです。

でも実際はどうでしょうか?
こっちのグラフの方がずっと現実に即しているのではないでしょうか?

基本的にずっと忙しくて、残業時間の増減があるだけ。ヒマな月なんてありえない。
筆者の場合は、毎月平均的に60時間程度の残業が発生し、ときにそれが100時間になったり、40時間になったりという勤務状況でした。
そりゃ残業100時間に比べて40時間は楽かもしれませんが、だからといってヒマではありません。それでヒマだと感じるのは感覚が麻痺しているからです。
「波がある」という言葉そのもののイメージと実態とが合っていないことがわかります。
「波がある」という表現のはらむ問題
業界が「忙しさに波がある」と説明をすることで、大きく2つの問題があります。
ひとつは、業界を志望する学生に対し誤解を与えるということです。今も昔も、IT業界に興味を持つ学生は、忙しさを心配するものです。そんなときに、「忙しいといっても、波があるからね〜」と説明してしまうと、前述の誤ったイメージを与えることになります。これを信じて入ってきた学生は、イメージと実態のギャップに戸惑い、早期に退職してしまいかねません。
もうひとつは、「波がある業界だから」というフレーズが、残業を減らさない免罪符になり得ることです。月100時間の残業は、一般的に考えればかなりの長時間残業です。しかし「波がある」と言ってしまうことで、多少の長時間残業も許されるおそれがあります。恒常的でなければ長時間残業があってもよい、というのはおかしな話です。長時間残業そのものがおかしい、という事実から目をそらせてしまう危険性があるのです。
これに限らず、「うちは○○な業界(会社)だからさ」と片付けてしまっては、それ以上の改善はのぞめません。波があるから忙しくてもしょうがない、ではないのです。
第一、ほんとうに「波がある」と言いたいのなら、100時間残業した翌月は100時間分の代休がつくくらいのことをしてほしいものです。
まとめ
筆者が「波がある」って表現おかしいよなーっと気づいたのは、社畜生活4年目のときでした。それまで年単位のデスマーチに放り込まれていたので、完全に感覚が麻痺していましたね。どう考えても「ずっと忙しい」のほうが表現として適当です。
疲弊する毎日に「うちの業界(会社)は忙しさに波があるし」と諦めている皆さん、もう一度よく考えてみてください。
それは本当に波ですか? その波を超えたら、ほんとうにヒマになりますか?