ニュージーランドで事故りました。
いやいやいや、ひどい目に会いました。人生で初めての交通事故。しかも海外でやられるとは!
これもめったにない経験ですので、ブログでシェアしたいと思います。
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何があったのさ!
6月29日、水曜日の朝、いつものように自転車に乗って通勤しておりました。直線道路を走っていて、脇道が合流する丁字路に差しかかったあたりで、一時停止していた自動車がヌルヌルヌルっと侵入してきました。
赤が自分、青が相手の自動車。ニュージーランドでは自転車は車道を走るのがルールです。
「えっ? 嘘でしょ?」と思った次の瞬間には車の右側面が目の前に来ており、避けきれず運転席のドアに衝突、自転車ごと横転。
起き上がろうとしましたが、顔面の左側が痛くて動けない! したたかに打ちつけたようで、思わず手で押さえると、手袋越しにもヌルッとしたいやな触感が伝わってきました。これはひどく出血している。思わず出た第一声は「どこ見て運転してんだこの野郎!」でした。日本語で。
冒頭の写真の通り、メガネは大破です。筆者はド近眼なのでメガネ無しでは何も見えません。いったい何が起こってるんだー。
人生初めての救急車
しばらく地面に転がってうめいていたら、男性が「大丈夫か? 起き上がれるか? ここは危ないから車の中に移動しよう」と抱き起こしてくれました。幸い、手や足には大きなダメージはなかった様子で、どうにか歩いて移動。そのまま男性の車の後部座席へ。顔面からの出血はなかなかおさまらず、ずっと手で顔を押さえてました。
この男性、事故った車のドライバーだとばかり思ってたのですが、後に目撃者の人だったことが判明しました。よくよく考えれば、事故起こしたドライバーがこんなに冷静に対応してくれることはないですな。
救急車を待つ間、この男性は「もうすぐ救急車来るからな」「手袋で傷をおさえると雑菌が入るから、このティッシュで押さえてね」「自転車は僕が自転車屋に持ってって修理してもらうよ。名刺をポケットに入れとくからあとで電話してくれ」など、とても丁寧に対応してくれていました。
でも僕は、事故を起こした相手だと思い込んでいたので「あー」「わかったよ」「もっとティッシュくれ!!」とかなり乱暴に受け答えしてました。ほんとごめんなさい……。
(出典: Wikipedia)
数分後に救急車が到着。自力で歩いて救急車に乗り込みました。
車内では傷の応急処置を受け、痛み止めのゼリー状の薬を投与されたり、傷口を冷やすコールドバッグをもらったり。これでだいぶ痛みが楽になりました。あとは、事故を起こしたドライバーの名前と免許証番号を教えてもらいました。
救急隊「仕事は何をしてるんだい?」
はっしー「プログラマです」
救急隊「おー、頭がいいんだねぇ」
はっしー「イエス アイアーム!!」
と、救急隊相手に冗談飛ばす余裕も出てきた。っつーかこれくらいテンション上げないとつらかったな。この間に、ケータイで会社のボスに連絡。交通事故に遭ったので今日は有給使います、と伝えました。
しばらくして救急病院に到着。この頃には痛みも落ち着いてきてましたね。
病院で治療を受けました
すぐに処置室に運ばれ、傷の診断と治療が行われました。目立った傷は左のまぶた上の裂傷。4〜5センチくらいぱっくり割れてしまってたので、ここは縫ってもらいました。また左足にやや大きめの擦り傷があったので、こちらも消毒。目の当たりにアザが残ったくらいで、骨に異常がなかったのは不幸中の幸いでしたね。
この日本人は冗談が通じるタイプだと思われたのか、
看護師「(足の擦り傷を見ようとして)ジーンズがなかなかめくれないわねぇ」
はっしー「スキニージーンズなんで……すみません」
看護師「でも今日からはダメージジーンズね!」
看&は 「アヒャヒャ(゚∀゚*)ノヽ(*゚∀゚)ノアヒャヒャ」
医者「ニュージーランドにはどれくらい住んでるんだい?」
はっしー「2年くらいです」
医者「じゃあもう100%ニュージーランド人だな!」
はっしー「いやーまだ90%くらいですね!」
医&は「 アヒャヒャ(゚∀゚*)ノヽ(*゚∀゚)ノアヒャヒャ」
みたいなやりとりも。医者がこういうノリで患者に接するのって日本ではどうなんだろう、笑 別に悪い気はしませんでしたけど。
痛み止めももらって、治療後は自力でバスに乗って帰りました。
NZではケガの治療費は全額無料!
ここは結構重要なところなので、ニュージーランドにいる人、これから来る人は読んどいてください!
ニュージーランドには Accident Compensation Cooperation (ACC) (公式 Web)という、ケガの治療費をほぼ全額負担してくれる組織があります。ニュージーランド国民はもちろん、旅行者も対象となります。太っ腹ですねー。
初期治療費から手術費用、薬の代金まですべて無料。ニュージーランドでは通常有料となる、救急車の料金もタダになります。また、ケガの影響で一週間を超えて働けなくなった場合には、賃金の80%を支払ってくれるのです。これはありがたい。
これのおかげで、筆者は一銭も(1セントも?)払わずに怪我を治療してもらえました。また、当日の夜に胸のあたりに痛みを感じ始めたので、念のためレントゲンをとってもらったのですが、そのお金もACCが一部負担してくれて、かなり安くすみました。
ニュージーランドでケガをして病院に行くことになったら、必ず「ACCで保障されますか?」と聞いてください。「Is this covered by ACC?」で通じますよ!
その後
当日中に、事故を起こした運転手の人が自宅まで直接謝罪に訪れました。終始平身低頭で、治療や壊れたメガネの修理に必要な費用などはすべて負担しますと申し出てくれました。連絡先もしっかり聞いたので大丈夫でしょう。
夕方には、事故直後に助けてくれた目撃者の方が、自転車を修理した状態で持ってきてくれました。塗装がすこし削れたのとライトが壊れたくらいで、問題なく使えそうです。まぁしばらく自転車通勤は控えますが……。
事故当日は一日休んだものの、翌日からは仕事復帰。同僚からは「もう大丈夫なの? 今週いっぱい休むかと思ったよ!」と驚かれました。まーそうでしょうね、笑 多少ムチ打ちっぽい痛みはありますが、業務には支障ありません。大きなケガにならなくてほんとうに良かった。頭や腕をやってしまったら、プログラマとしては大ダメージですから。ほんとーにラッキーでした。
教訓!
緊急事態の時こそ英語が必要
事故直後の半ば混濁した意識の中でも、「救急車は呼びましたか?」「痛みがひどくなってます」「傷を冷やす何かをください」など、必要な情報を英語で伝えることができました。また、救急隊の「ここはどこかわかりますか?」「連絡が取れる相手はいますか?」「痛いところはどこですか?」といった質問にも的確に答えられました。これまでの英語学習と経験を通じて、このくらいの質問なら反射的に答えられるようになっていたからだと思います。
海外生活をする上で、外国語はそこそこで十分、コミュニケーションなんて度胸だ、という大胆な意見があります。それも決して間違いではありません。しかし、海外で生活する上では、語学力が不十分であると、不測の事態に巻きこまれたときに大きなリスクを負うことになると覚悟しておく必要があるでしょう。一歩間違えれば生死に関わるかもしれないのです。ひとつの厳しい現実として、海外移住を目指す人は覚えておいてください。
どうしても自信のない人は「指さし英会話」みたいな本を常に携帯しておくようにしましょう。
ノーヘル、ダメ絶対
ニュージーランドではノーヘルで自転車に乗ってると間違いなく警察に即つかまりますが、日本で自転車に乗る人は、ロードバイクでもない限りヘルメットをかぶらないと思います。
自殺行為ですよ。
僕は今回顔から車にぶつかって頭から地面に落ちてるので、もしノーヘルだったらと考えるとゾッとしました。みんなヘルメットかぶりましょう! 今は安全性が高くデザインのカッコイイものが安い値段で売ってます。事故ってからじゃ遅いです!
明日は我が身。
皆さんも交通事故にはくれぐれもお気をつけて!!
命に別条が無くて本当に良かったですね。ぶつけた相手もまだ誠実な人で良かったです。貧乏で保険も入っておらず、賠償出来ない人間もいますからね。
本当に緊急時は英語で意思疎通出来るか
が大事ですね。私が入院した時は、東北震災後だったので看護師さんやお医者さんが日本人と分かると、「貴方の家族は無事か?」と聞いてくれたり片言の日本語で和ませてくれました。後は男女の役割が決まっていて、女性看護師は点滴や血液検査などの軽労働、男性看護師がベットや車椅子を運ぶ仕事でしたね。この点は日本も取り入れたらいいなと思いました。
大丈夫ですか!?
私もNZ在住者ですが、事故一度も遭った事はありませんが、NZでは事故が多いのでとても怖いですね?
私も気をつけなくちゃ?
>id:paru100
ありがとうございます、ほんとに運が良かったです。こちらの医療関係者の方は患者との距離が日本より近いですよね。いろいろ日本も見習えるポイントがあると思います。
>大下さん(id:minan0406)
ありがとうございます、クライストチャーチは自転車危ないとは聞いてたんですけど、まさか3ヶ月で事故るとは思いませんでした笑 お互い気をつけましょうね〜
怖いですね。お大事に。
本筋とは外れますがこれはPersonalTimeOffではなくSickDayを使うべきでは?
>id:asdfasfasd
ご心配ありがとうございます…
残念ながら入社後まだ日が浅く sick leave を使いきってしまっていたので、やむなく unpaid leave で対応しました。こればかりは仕方ないですね。
無事に過ごせるようで、良かったですね。
海外で生活するということは、緊急事態も想定することも必要なんですね。
よい教訓をこちらも得ることができました。とてもリアルだったので、頭に残りました。
記事にしてもらい、ありがとうございました。