新年度をむかえたからか、最近またニュージーランド就職に関する問い合わせが増えてきました。
その中でよく聞かれるのが、「ニュージーランドで働くために、どのくらい英語ができれば大丈夫ですか?」という質問です。正直、ひとことで答えるのが難しい質問ではありますが、今回は一般的な回答を示したいと思います。海外での就職を目指す方はぜひ参考にしてみてください。
必要な英語力は職業によって違う。絶対的な基準はない
いきなり身も蓋もない話になってしまいますが、これだけ英語ができれば大丈夫! という絶対的な基準は存在しません。なぜなら、必要とされる英語力は職業によって大きく違ってくるからです。
たとえば、農園や工場で働く肉体系労働には、そこまでの英語力は必要とされません。寿司屋や日本料理店といった、同僚のほとんどが日本人の職場の場合、海外にいながらまったく英語をしゃべらなくても仕事ができることもあるでしょう。
一方で、ホテルのフロントのような不特定多数を相手とする接客業は、ホスピタリティの面から見ても、高度な英語力が必要です。コールセンターなど、口頭でのコミュニケーションが求められる現場も同様だと思います。
また、英語の4技能(聞く、読む、書く、話す)のどれが求められるかも、仕事によって異なります。接客業ならスピーキングとリスニングが大切ですし、プログラマならリーディングとライティングが重要です。
ですので、NZでの就職に必要な英語力を身につけようと思ったら、まず「どういった仕事に就きたいのか」がわからないと、基準もはっきりしないということです。仕事を選ばず、働くだけが目的なら、中学英語くらいで十分なケースもあり得ます。
永住権を目指すなら高い英語力が必要! IELTS 6.5 を目標にしよう
働くだけならそこまでの英語力はいりませんが、ワークビザを足がかりにして永住権を目指すというのであれば話は別です。
NZの永住権にはいくつかカテゴリがあり、そのうち主流なのは Skilled Migrant Category (技能移民部門)です。これはすでにジョブオファーを獲得している人が、NZの経済に貢献できる技術があることを理由に永住権を申請する方法です。
2017年4月現在、この Skilled Migrant Category で永住権を取得するには、国際英語能力試験である IELTS で 6.5 以上を取ることが必須となっています。*1これは、NZの大学に入学するのに必要な要件とほぼ同じです。センター試験レベルの英語はほぼマスターする必要があると考えてよいでしょう。
IELTS を受けたことがない人は、公式問題集で今の実力を確認することをおすすめします。
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そうそう、たまーに、「ニュージーランドに移住したいです! でも英語は勉強したくないです!」って人がいるんですが、そういう人はNZで婚活でもするか、英語力の求められない投資家カテゴリでの永住権獲得を目指してくださいね(訳: 現実を見ろ)。
英語力だけでは就職できない。必要なのは技術力!
最後に重要なことをお伝えしておきます。
NZで就職したいなら、英語だけ完璧でも無意味です。技術力が必要であることを忘れないでください。
英語だけできても仕方ないことは、日本語さえできれば日本で就職できるのか、と考えてみればすぐわかると思います。それに英語なら現地のニュージーランド人の方がよっぽどうまいですよね。
にもかかわらず、なぜ英語力の面で劣る日本人を雇うのかというと、ニュージーランド国内の人材市場だけでは調達しきれない技術がほしいからなんです。
NZでの就職は、基本的に即戦力採用です。日本のように、未経験の素人を雇って懇切丁寧に育ててくれるなんてことは、まずありません。自分はどんな知識や技術を持っているのかを分析し、それをどう雇用主にアピールするのかが、非常に大切になってきます。スキルが足りない場合は学校に通って学びなおすことも、ときには必要です。
そもそも英語の世界で働くんですから、英語はできて当たり前、どれだけうまくてもそんなに評価されません。英語だけにとらわれることなく、職場で活きる実務能力を身につけることも重要なのです。お間違えのないように!

英語が苦手な自分にとってとっても参考になりました!
プログラマー志望なんでReadingとWritingがんばります!
必要とされる英語力は職業によって大きく違ってくる
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