ニュージーランドを代表する観光地、クイーンズタウン。ここまで足を伸ばしたならぜひ寄っておきたいのがミルフォードサウンドです。
国立公園に指定された地域の奥の奥、携帯の電波すら入らない、まさに秘境。そこにはまるで恐竜の時代に迷い込んだような景色が待っていました。
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ミルフォードサウンドってどんなところ?
By Oliver Leimig – The photos were taken by me using a Canon Ixus430., CC 表示-継承 3.0, Link
ミルフォードサウンドは、氷河の侵食によって作られた入江(フィヨルド)。高さ1000mを超えるいくつもの絶壁と、そこから流れ落ちる滝が、独特の迫力ある景観を作り出しています。この景色を求めて、毎日何千人もの観光客が訪れる大人気スポットなのです!
このミルフォードサウンド、ニュージーランドのほかの観光地の例に漏れず、遠いです。
観光しに行くなら、最もメジャーなのはクイーンズタウンから長距離バスで向かう方法なんですが、片道5時間かかります。セスナ機に乗ってミルフォードまで遊覧飛行、という優雅なプランもありますが、こちらは1人あたり400ドル〜500ドルと結構なお値段。
時間的にも金銭的にも遠いのがミルフォードサウンドです。まぁニュージーランド観光はこの遠さも楽しみのひとつなんですけどね。

っちゅうことで、今回は長距離バスツアーに参戦! クイーンズタウン市内を朝7時に出発し、ミルフォードサウンドには午後1時半に到着。クルーズを楽しんだのち3時半にはミルフォードを出て、夜の8時にクイーンズタウン着という弾丸ツアーであります。ツアー会社は GreatSights というところを利用しました。
雨のほうが見応えがあるらしい!?

クイーンズタウンを出発してしばらくはまずまずのお天気。初夏ということで、子供の羊が飛び回るニュージーランドっぽい景色も拝めました。


しかしバスを走らせておよそ4時間、休憩地点のミラーレイクに差し掛かると、あたりはすっかり雨に。山のてっぺんも雲がかかって隠れちゃってます。
普通の観光地ならこれでガッカリとなりそうなもんですが、実はミルフォードサウンドは雨のほうが見応えがあるのだとか!
というのも、ミルフォードサウンドの景色の重要な要素である滝のほとんどが、雨で増水したときにのみ出現するんです。雨の日は大迫力の滝が数千も現れるのに、晴れるとそれらが忽然と消えてしまうのだとか。天気にかかわらず見ることのできる滝は、たったの2本! ギャップありすぎでは?

ミルフォードに向かう道中はかなり長いですけど、氷河の溶けた水と思われる、澄んだ青緑色の川が流れていたり……

思わず隧道と呼びたくなる、バス一台ギリギリ通れる幅の狭いトンネルを突き進む、スリリングな光景も楽しめるので、寝ちゃうのはもったいないでっせ。
雨の中クルーズ開始!

さてさて、ようやく着きましたミルフォードサウンド! 全域が国立公園に指定されているところなので、いったいどんな秘境なのかと思いきや、クルーズ船の発着所はかなりモダンに作られています。
ただし、秘境だけあって携帯の電波は一切入りません。2017年の先進国にもこんな場所あるんだな。


雨がだいぶ本降りになってきたので、ポンチョを買いました。これないと船の外に出られないしね。常に在庫があるとは限らないので、皆さんはあらかじめ雨具を買っておいたほうがいいと思います。いよいよクルーズに出発です!

切り立った崖に木が生い茂り、そこに幾つもの滝がどうどうと流れ落ちてます。太古の昔から一切人の手の入っていない自然が残っていて、まるでジュラシックパークの世界のよう。山の上のほうは雲がかかって全然見えないけど、これはこれで神秘的ですね。デッキはかなり寒くて凍えながら写真撮ってたんですけど、この滝も晴れてるときには現れないと考えると、寒いの我慢してでも観る価値はある!

こんな大きな滝のすぐ近くまで接近してくれることも! ニュージーランドの自然というと、最近ではテカポに代表される優しくて美しい自然が思い起こされますが、こちらは対照的に、畏れを抱かせるような厳しい自然ですね。
運がよければ、ペンギンやイルカ、オットセイなどの生き物に遭遇することもあるとか。今回はたまたまペンギンを見ることができました!(一瞬だったので写真撮れませんでしたが)
Millford Sound 2017 Oct from Hassy on Vimeo.
短いですが動画撮りました。雰囲気伝わるかな?
クルーズ終盤は「スターリング滝」に大接近!
ミルフォードサウンドクルーズの最大の見どころと言うべきポイントが「スターリング滝」。151メートルもの落差を誇り、なんでも、この水しぶきを浴びると10歳若返ると言われるパワースポットなんだとか。
ツアー終盤では、クルーズ船がこの滝の近くまで大接近してくれます。多少濡れるのも気にせず、外で絶景を楽しむのが正解! 僕もポンチョを装備して甲板に出てみました。

うひょー! 滝近ぇ!! たのしーーー!!! 水しぶきに加えて、流れ落ちる水音もまた凄みがある!

迫力ーーー!!!

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
気がつけば、ものすごい爆音とともに命の危険を感じるレベルで水が降ってきた! 一瞬で頭から足の先までびしょ濡れ、甲板も水浸しになり、スマホが水没しないようポケットに突っ込んで、「やばいやばいやばいやばい」と叫びながら、一度も振り返らないまま船内に避難。そんな距離まで近づくなんて聞いてなかったぞ!!
一着しかもってきてなかったジーンズが完全にびっちゃびちゃになりました。ガイドさんも「まさかこんなに接近するとは……」と引くレベル。
この日は帰路の天気が良かったので、なんとかクイーンズタウンに帰り着くまでに乾きましたが、冬場だったり雨だったりしたら風邪引いてもまったくおかしくなかった。次来るときは着替えを持ってこなきゃダメだな……。
ミルフォードサウンドのクルーズを楽しむためのポイント
レインコート必須。ずぶ濡れになっても大丈夫な服装で行こう!
今回身をもって体験しましたが、ミルフォードサウンドのクルーズはまじで全身びしょ濡れになります。別に船内から外に出ないなら問題ないですけど、せっかくの絶景を間近で見ないのはもったいない。
甲板からの景色を100%楽しむためにも、全身すっぽりカバーできるレインコートを持参しましょう! 滝の側はかなり水が飛んでくるし風も強いので、ポンチョよりも丈の長いレインコートがおすすめです。↓これ↓なんか丈が150cmあって足までカバーできるので、かなり良さげ。
スカートやヒールのある靴、パンプスなどは絶対ダメです。動きやすい服装を心がけましょう。
また、視力の悪い人はメガネじゃなくてコンタクトレンズの方がおすすめです。メガネは水しぶきですぐ視界が悪くなるし、風が強いので最悪の場合飛ばされます!
夏でも防寒対策をしっかりと。甲板はかなり寒いです!
ミルフォードサウンドは、ニュージーランドの中でも南側、もはや南極圏に片足突っ込んだようなエリアにあるので、夏場であっても基本的に寒いです。おまけにクルーズ中は風も吹いてくるので余計に寒く感じられます。季節を問わず、防寒対策は欠かさずにしておきましょう!
かさばらなくて暖かいライトダウンジャケットなんかが便利ですよ。ニュージーランドは寒暖の差が激しいので、1枚持っておくと重宝します。
晴れのミルフォードサウンドを狙うなら、クイーンズタウンに連泊必須!
ミルフォードサウンドといえば、日本での旅行会社の宣伝も相まって、こんな青空のイメージが強いんじゃないでしょうか。ニュージーランドブルーの空を背景に、雄大なフィヨルドを眺める……。なんとも憧れる風景ですけど、ミルフォードサウンドは国内有数の雨の多い地域なので、晴れの日に巡り合う確率はとても低いです。
ウィキペディアによれば、ミルフォードサウンドの年間降水量は7000mm〜8000mm。一年の3分の2は雨だそうです。
というわけで、晴れのミルフォードサウンドを楽しみたい人は、観光拠点となるクイーンズタウンへの連泊が必須です。欲をいえば1週間くらいは滞在して、ベストの日を狙いたいところですね。クイーンズタウンはおいしいレストランやワカティプ湖のクルーズ、マウントクックへの日帰りツアーなどアクティビティが豊富で、観光には困らないのでご安心を。
宿泊施設の予約は、世界中のホテルを網羅するBooking.comが便利です。いまなら↓下のリンク↓経由で予約するだけで、15ドル(およそ1700円)のキャッシュバックが受け取れます!!
日本語ガイドが必要な人は Qbook から予約しよう!
ミルフォードサウンドへのツアーは、日本語ガイドをつけることができます。一番わかりやすいのは Qbook を利用する方法ですね。ここはクイーンズタウンで唯一、日本語スタッフが常駐している観光案内所です。
日本からパックツアーで来る場合は問題ないと思いますが、ワーホリなどでニュージーランドに長期滞在している人が予約する場合、僕のようにうっかり英語サイトから予約してしまうと日本語ガイドのオプションを逃してしまうので注意してください!
まとめ
大雨のミルフォードサウンド、びっしょびしょになって寒かったけど楽しかった! 30過ぎてびしょ濡れになって遊ぶってのもなかなかない経験でしたわ、笑 次は全身雨具で完全装備して、いくら濡れてもいい格好で再戦したいですね。晴れの日のミルフォードもいずれ見てみたい。
ガイドさんの情報によると、冬場は山に積もった雪とのコントラストがさらに綺麗でオススメだとか。冬はミルフォードまでの道路が悪天候で閉鎖されることも珍しくないので、なるべく余裕を持った旅行日程にするのがいいですよ。
ニュージーランドへのフライトは、成田・羽田・関空発着の直行便が使えるニュージーランド航空で是非どうぞ!
行ってみたい!