仕事・働き方

過重労働を許すな。「長時間労働撲滅キャンペーン」に署名しよう!

2015年12月に電通の新入社員が過労自殺を遂げた事件は、労働基準監督署が立ち入り捜査に入るなど新たな展開を見せています。

Change.org で、「長時間労働を撲滅して、日本から過労死をなくしましょう!」という署名運動が行われています。発起人には、経済評論家の勝間和代さん、長時間労働改善事業に長年携わっている、起業家の小室淑恵さんなどの名前がありますね。

www.change.org

 

皆さんにお願いです。

ぜひ、この署名運動にご協力ください! 日本の労働環境を変えるために声を上げましょう!!

日本では労働時間の上限がない!!

長時間労働が過労死の原因のひとつであることは間違いありません。厚生労働省は月80時間の残業を過労死ラインとして定めています。モチベーションが高ければ200時間残業しても死なないとか言う人もいますが、んなことは関係ないのです。長く働きすぎると死のリスクがある。これは事実。

そのため、労働時間には上限を設けるのが、労働者保護の観点では不可欠なのですが、なんと日本では労働時間の上限が存在しないのです。プロジェクトの元ページに詳細がわかりやすく書いてありますので引用します。

EUでは、労働者の健康と安全の保護のため、平均週48時間労働が法律上の上限時間であり、違反した場合の罰則規定があります。また、1日の労働時間終了後に連続11時間以上の休息を与えなければならない「インターバル規制」が義務化されています。

日本では労働基準法で定められている月間時間外労働は45時間まで、という限度がありながら、労使協定を結んでしまえば事実上、上限なく働かせることが出来てしまう国です(36協定の特別条項を設定すれば年間6か月間は労使で決めた上限まで働かせることが可能)。

日本にもEUと同じように、労働時間の上限設定、インターバル規制を導入し、労働者を長時間労働から守ろう! というのが、今回の署名の趣旨です。

36協定というのが抜け穴なんですよね。僕が以前勤めていたIT企業でも、これのおかげで月100時間の残業もオッケーになってました。

当時は、緊急事態ならそれくらい働くのも当たり前だよね〜なんて考えてましたけど、そんなことはないですよね。緊急事態だろうがなんだろうが、人が死ぬほどのリスクを負っていいはずがない。どれだけ危険な工事現場でも安全対策は取るでしょう。

長時間労働のリスクがあまりに軽んじられているのが今の日本です。

社会が変わるチャンスを無駄にしてはいけない

この署名運動がどれだけ重要なものか、NPO法人フローレンスの駒崎弘樹さんが自身のブログに書かれています。

労働時間の上限設定と、インターバル規制導入。この2つが安倍首相も参加する「働き方改革実現会議」で議論される動きがあるのですが、それが産業界の反対により妨げられつつあるというのです。

産業界にとっては、これまで無尽蔵だったら人的資源を制限されることへの恐怖があり、それが政治的パワーとなって働き方改革を妨げる方向に向かっているそうなのです。

このままでは、おそらく改革は微温的なもので終わるでしょう。そして日本のどこかで、また若者が長時間労働にボロ雑巾のように痛めつけられ、命を落としていくでしょう。

今回の働き方改革は、日本の労働環境をトップダウンで変えられる、数少ないチャンスです。

僕も日本で働いていたときは100時間を超える残業を経験し、あと一歩で自殺するところまで追い込まれました。その後、会社を辞めましたが、長時間労働が当然のように存在する日本ではとても転職に希望は持てないし、社会が変わることにも期待できない。だから、長時間労働の存在しないニュージーランドに身を転じました。

しかし、この署名活動で、多くの労働者の声を集約することができれば、本当に日本の社会が変わるかもしれない。みんなが幸せに働ける世界の実現に向けて、大きく前進するかもしれないのです。

こうしている間にも、月122時間の残業に従事していたフィリピン人男性の死に過労死判定が出たとのニュースが飛び込んできました。働きすぎで死人が出る社会なんてどう考えても異常です。

おまけに過労死判定が出ても刑事罰に発展することはありません。過労死は企業による殺人にほかならないのに。おかしいでしょ?

こんな愚かなことは、我々の世代で終わりにしなければいけません。

「もう長時間労働はたくさんだ!」と思っている労働者の皆さん、どうか、このキャンペーンに力を貸してください。あなた自身だけでなく、あなたのお友達や、いずれ社会に出ていく子どもたちを救うためにも、声を上げましょう。よろしくお願いします。

www.change.org

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ABOUT ME
はっしー
ニュージーランド在住の元プログラマ。 日本のIT企業で月100時間超えの残業を経験して過労死しかけたことをきっかけに国外脱出、毎日定時帰りの生活と年収アップを実現させる。脱社畜、英語、海外移住などをテーマに情報発信中。Twitterフォロワーは1万8千人以上。ニュージーランド永住権ホルダー。

POSTED COMMENT

  1. sora15minato より:

    賛同させていただきました。
    私も、はっしーさんがブログに綴られているのと
    同じ思いです。

  2. hideukin より:

    賛同し、署名しました。
    私自身は長時間労働していませんが、日本で仕事をする人のために、しっかりとした規制が実現してほしいです。

  3. shimizutks33 より:

    私も賛同しましたー。こどもたち&私達に、魅力のある未来を!

  4. tyottchmon より:

    こういう団体があったんですね。
    一日でも早く日本の全ての企業の働きすぎが無くなることを願っています。
    署名しました。

  5. tyottchmon より:

    記事をリンクさせてもらいました。
    この運動が少しでも多くの人に知れわたる助けに成ればと思います。

  6. opp より:

    ほんと止めて欲しい
    具体的に上限を決めた後の、監視体制や
    サービス残業をさせない対策は考えてますか?
    これがまかり通ったら、特に中堅層のサービス残業が
    間違いなく増えます。
    救われない人が更に増え、取り返しが付かなくなる気もします。
    今はまだ残業代も出ているし不満もない人だって沢山います。
    ましてや、残業代が無いと生活できない人だって現実にはいるんです。
    本当に残業が死亡を高めるリスクになりますか?
    もっと真因を掴んでください。
    ストレスは残業にあるのではなく、その中身です。
    パワハラ・サービス残業等
    まずは、そこを是正してからです。
    順番が違います、もっと現場を見てください。
    勤怠の仕組みを一元化し、会社任せではなく
    国も管理するように取り組み、サービス残業を無くし
    残業を無くすための取り組み・改善を企業に課す
    (※法的罰則を付けないとダメです)
    もちろん、労働者側にも問題はあります。
    残業代をしっかり払う会社ですと
    ダラダラと仕事を行い、残業代を稼ぐ社員もいます。
    年功序列制度の廃止や成果報酬制度を入れるなど
    個人の成果に対して、給与を支払う事も必要かもしれません。
    残業問題を解決するのはそのあとです!
    根本的に解決しないと、表面上だけ良くなり
    中身は伴いません。
    大抵、法律だけ整備されその後のフォローがないのも事実
    だから問題が解決されないし、真因を分かってないから
    的外れになるのです。
    これ先、正常に働くために何をすべきで、何を行動すべきか
    中小企業の実態を、その目で確かめてください。
    でなければ、私たち労働者は救われません。
    何も解決しないのです。

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