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仕事・働き方

ワークライフバランスの実現には「不便さを受け入れる」ことが必要

こんにちは、ニュージーランド在住ブロガーのはっしー(@hassy_nz)です。

つい先日、ある業務コンサルタントの書いた仕事があるのに残業せず帰る「勘違いワークライフバランス」が増えすぎているという記事がツイッターで話題になり、かるく炎上しておりました。

内容を要約すると、

  • 最近の日本では、仕事が残っているのに定時で帰る人が増えている
  • 上司が多すぎる仕事を押しつけているのでは?と思うかもしれないが、実際は作業者の能力不足なことが多い
  • 解決のためには時間あたりの作業密度を上げることが必要

という主張です。

「ワークライフバランスが大事だからといって何も考えず定時で帰るのではなく、やるべき仕事はちゃんとやれよ!」
ってことですね。

まぁ言いたいことはわかります。
会社の立場からすれば、今まで残業で仕事を終わらせていた従業員が、突然定時で帰るようになっては大変でしょう。
ワークライフバランスの取れた社会を実現するためには、時間あたりの生産性向上は必要です。

ですが、この記事にはある重要な視点が欠けています。
それは「どれだけ頑張っても、時間内に仕事が終わらないことだってある」ということです。
マネジメントの問題なのか、労働者のスキル不足なのかは関係なく、仕事が常に定時内に終わるとは限らないんです。
これがわかってないと、いつまでたってもワークライフバランスの取れた社会はやってきません。

ワークライフバランスの取れた社会は不便です

僕の住んでいるニュージーランドの事例を紹介しましょう。
ニュージーランドは管理職でもない限り定時で帰るのが当たり前で、1ヶ月のバケーションも普通に取れます。
最近では現役の首相が産休を取ったニュースでも話題になった、ワークライフバランスの取れた社会です。

「うらやましい!」と思われるかもしれませんが……
ワークライフバランスの取れた社会は、ときにものすっごく不便でもあります。

たとえば、僕が以前住んでいたシェアハウスでのお話。
ある日、インターネット業者にモデム配線工事を依頼しました。
「担当者が午前中におうかがいします」とのことだったんですが、結局来たのは夕方になってから。
しかもその担当者、工事の途中で「また来ます」と言って一旦帰り、その後戻ってきませんでした。
で、担当者が来たのはなんと1週間後!

日本ではクレーム間違いなしだと思いますが、ニュージーランドではいくら文句を言っても無意味でしょう。
だって、時間内に終わらないものはしょうがないからです。
もちろん消費者の目線からすれば腹が立ちますよ。
でも「今日中にやらなきゃいけない仕事なんだから今日やれよ!」と主張すると、結局は自分に返ってくるんですよ。
みんな残業なんかしたくない。
だから多少不便を感じるとしても、ほかの人が残業しないのも認める必要があるわけです。

不便さを受け入れたとき、ワークライフバランスが日本に根づく

日本におけるこれまでの「ワークライフバランス」は、主に企業側の文脈でしか語られてきませんでした。
つまり「たくさん残業するよりも定時内で集中したほうが生産性が上がりますよ」「残業しなくても利益は下がらないし、むしろ儲かりますよ」という観点からワークライフバランスの実現が叫ばれてきたわけです。
経営者の意識が変わらないと現場の働き方は変わりませんから、その動き自体は間違ってはいないと思います。

しかしこれからは、ワークライフバランス実現の動きが消費者の生活にどんどん影響を与えてきます。
今までたくさんの人が長時間働くことで成り立っていた、日本社会の便利さは薄れていくでしょう。

大手百貨店が元日の営業を取りやめたり、
ファミリーレストランが深夜営業を中止したり、
宅配業者が時間指定配達サービスの幅を狭めたりと、
すでに影響が出ている部分もありますね。

でも、ワークライフバランスの取れた社会のためには必要なこと。
これからの日本人は、みんなが残業しないことによる不便さを徐々に受け入れていかなければなりません。

工事の業者は約束どおりに来ない、
宅配便も指定した時間に届かない、
役所の担当者は突然1ヶ月のバカンスでいなくなる、
などなど……

いらいらする場面が増えるかもしれませんが、それで大丈夫。
みんなほどほどにしか働かないから、あなたもほどほどに働けばいい。
それが、ワークライフバランスの取れた社会の正体だからです。

ABOUT ME
はっしー
ニュージーランドで働くプログラマ。 日本のIT企業で月100時間超えの残業を経験して過労死しかけたことをきっかけに国外脱出、毎日定時帰りの生活と年収アップを実現させる。脱社畜、英語、海外移住などをテーマに情報発信中。Twitterフォロワーは1万人を超える。ニュージーランド永住権ホルダー。

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