ニュージーランドの会社でプログラマとして働き始めてまもなく半年になります。
この半年間、残業はただの一度もしたことがありません。入社前、同じ会社で働いている友人に「残業たまにはするんでしょ?」と聞いたとき「Never」と返ってきたときは嘘だろと思いましたが、なんの嘘偽りもなく本当でした。毎朝9時から働いて5時半には終業。8時頃に出勤して4時台に帰るときもあります。かつては月100時間もの残業を経験して死にそうになっていた自分としては、この環境はまさに天国です。
さて、残業がなくなったということは、残業代が出なくなったということでもあります。弊社は年俸制なので、残業しようがしまいが、月の給料は変わりません。そんな環境で半年働いてみて感じたことを書いてみます。

仕事への集中力が上がった
残業代が出ないので、仕事はさっさと終わらせて帰らないと損。今日やるぞと決めたことは定時内でやりきらねば、と仕事への集中力が上がりました。
1時間ほど一心不乱にコードを読みプログラムを書き、5分ほど休憩してまたコードを読みプログラムを書き、そして気がついたら1日が終わってるという感じです。8時間しか働いてないのに、仕事が終わったときにはドッと疲れが襲ってくるのが、日中の集中度合いを示しています。
日本では、どれだけがんばっても7時か8時まで残業しなきゃしょうがないじゃんという空気の中で働いていたので、日中の集中力や生産性は正直言ってひどいものでした。終業のチャイムが鳴ってからようやく本気モードになるような感じでしたからね。だって朝から本気モードになったってどうせ帰れないんですもん。
残業代がゼロになって、集中して働くとはどういうことかを学びました。
給料を上げるにはどうすれば良いか考えるようになった
残業するのが当たり前な職場にいると、「残業代を稼ぐ」という意識をもつようになります。つまり「来月お金が必要だから、今月はがんばって残業しよう」という感覚です。これに慣れてしまうと、お金を稼ぐには自分の時間を切り売りすればよいと考えるようになります。
非常に安易な考え方であり頭が悪い。しかもこれでそこそこ簡単にお金が手に入るので余計にたちが悪いです。
残業代が出なくなると、給料を上げるには、自分の生産性を向上させて給与交渉の場に持ち込むしかありません。
そのため、自分の仕事ぶりをよく振り返るようになりました。
最初は自分のタスクをこなすだけで精一杯でしたが、最近はそのあたりを考えて、ほかの人の担当分チケットに目を通してチーム全体の状態の理解を深めるようにしたり、バージョン管理ツール(mercurial)のコマンドラインを勉強して自動化できる部分がないか考えるようにしたりしています。あとは英語のトレーニングですね。まだまだコミュニケーションがスムーズにいかないことが多いので。特にリスニングとスピーキングを意識してます。
就職して1年経ったときに、マネージャに「自分はこれだけのことができるようになったんで給料上げてください」って言えるかどうかが今の課題です。もっともっとがんばらないと。
まとめ
残業代が出ない生活、サイコーです。定時で帰れるし仕事ははかどるし、振り返りと改善の時間も取れるしで言うことなし。
これ、残業が誰にとってもメリットにならないのがポイントだと思うのですよ。
ヒラ社員からすれば、残業しても給料変わらないので、自らすすんで残業する意味はまったくありません。定時内に仕事を終わらせる人よりダラダラ残業している人のほうが給料高いというねじれ現象も防げるので、非常にフェアな環境で働けます。
管理職の立場では、部下が残業漬けになっているのはマネジメントの怠慢とみなされ、自分の評価が下がることになります。部下からの人望も失いますのでいいことありません。
最後に経営者から見ると、無駄に残業の多い職場は社員のモチベーションの低下を招き、せっかく獲得した優秀な労働力が逃げていくことにつながります。最近はインターネットでひどい職場の情報はすぐ出回りますから、会社そのものの評判も落としてしまいますね。
「残業代が出ない」と書くとギョッとしますが、1日8時間全力で働いて定時で帰るってことなんで、理想的なあり方じゃないでしょうか。一度こういう職場で働くと価値観が大きく変わりますよ!

残業のない職場、、、素晴らしいです!
残業ありきだから、効率が悪いのもすごく納得できます。ただ、残業あり気で工程建てられていることもよくあるし、上司が残業を良しとする傾向もやっぱりありますね。
簡単には無くならない問題とは思います、、、が、それを目指さないといけないと思います!